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オーバーリング・ギフト 感想

6/15から6/25までDDD青山クロスシアターで上演されていた「オーバーリング・ギフト」を観劇してきました。

観ようと思ったきっかけは率直にいうと富田くんが出ていたからだったんですが、彼が出ていることを差し引いても本当に面白い舞台でした。DVD発売も決定したので、これが参考になるかわからないですが興味を持ったら見てみてください。

作・演出は劇団プレステージの風間由次郎さんです。この舞台に行くことが決まってから劇団プレステージの作品などを観てみたりしてみたのですが、演出に関わったらしい小関さんバージョンのFROGSもですが私の好みにハマる感じの舞台でした。

あらすじ
人の才能がリングによって管理されている未来の世界が舞台。リングにはそれぞれ才能が入っていてそれによって人の将来が決められている社会で、世の中の人は自分の子供により良いリングを付けることがステータスとなっていた。
リングを持っている人=オーバーと、リングを持たない人=ロストが出会うお話です。

登場人物
アスター(演:猪塚健太さん)
リングを持っているオーバーの少年。トトイ(溝口くん)を助けるために親からもらった特別なリングを捨ててしまい、ロストへ転落する。
主人公気質な男の子で明るくて元気な子だったんだろうな〜と思います。最初はロストの暮らしに戸惑うけれど覚悟を決めたらうだうだ言わないで仕事もきっちりするあたりいい子だなあと思うしカワイイですね。あと大きいショルダーバッグを2つ斜め掛けしてる時のもたついた歩き方が可愛かったんですがお坊ちゃんだから慣れてないのかな?ってのを感じられて細かいな〜と思いました。
後半で話を引っ張って行く立場になってからはなんだか猪塚さんが大きく見えました。

トトイ(演:溝口琢矢さん)
ロストの少年。素直だけどかなり鈍感。アスターに命を救われて以来アスターを慕い、兄弟のように暮らす。
アスターに助けられた時に言われた言葉を励みにしていて、人を疑ったりしないんだろうなあと思うわんこみたいな男の子です。アスターに恩があるから真っ先に彼を助けて力になろうとしてくれます。
アスターを自分の家に迎え入れる時の嬉しくてたまらないって感じの笑顔がとってもよかったですね〜私はFROGSとこの舞台でしか舞台で演技する溝口くんを見ていないんですが、こういうハツラツとした溝口くんは見てて気持ちいいですね。

トトイとして生きて〜という言い方をカテコでもしていて、世界観を大事にしてくれるんだな〜と思いました。生き抜くという言葉が似合うくらいすごい役でした。


カゲツ(演:富田健太郎さん)
オーバーの男の子。家が貧乏で病気の父親のためにロスト街へ降りて自分のリングを売りにやってくる。
アスターと対になる人物だと思いました。リングを捨てたらロストになってしまうのにそれでも育ててくれた恩があるからと歌う富田くんがすごく良かったです。この舞台は「愛」をテーマにしてるようなので、家族愛を推されまくるので1回目では泣かなかったのに複数回観るうちに泣けてきてしまいました。
この子の境遇的にも劇中は常に辛そうで泣きそうな顔をしているんですが、ラストシーンでは晴れやかに笑っててやっぱり富田くんは笑顔がいいんだよなあと思いました。

千秋楽の最後らへんのシーンのセリフで感極まって泣いちゃって泣く予定なかったのに思わずもらい泣きしました、カテコのゆるい挨拶でも泣いてしまいました。まあつまり富田くんの演技が好きなんですよね。


ミロコ(演:加藤潤一さん)
トトイの父親。包容力があってトトイの命の恩人でもあるアスターを快く迎え入れる。
ミロコはトトイのお父さんだからかやっぱり言動がそっくりでした。突然転がり込んできたアスターを本当の子供のように見守ってくれる優しい人です。この人がいなかったら多分アスターは何も出来なくなっていたことでしょう、この作品で一番好きなキャラクターです。
加藤さんはミュージカルにも出ている方だからか歌うシーンが多く用意されていたのですが流石の貫禄でした。


ルージュ(演:島ゆいかさん)
トトイと同じ年の気の強い女の子。ミロコに拾われて血は繋がらないけれど家族のように暮らしている。
トトイのお姉さんのように接するから最初はやたらと当たりが強いけれど本当はトトイが好きだから素直になれなかった子。トトイへ詰め寄る姿が何度見ても可愛いですね。
島ゆいかさんは可憐Girl'sのメンバーだったらしくあの頃あんなに小さかった子をまた舞台で観ることになるとは思いませんでした。

ゆいかちゃんはこれが初舞台だったそうですが、歌のシーンは女の子らしくてとても可愛いのにアスターに対してやたらとキツいのがめっちゃ怖かったですね笑 由次郎さんが「勝気な方が合う」という言葉を観てからわかりましたね、すごく合ってました。


咲耶(演:中村百花さん)
ミロコの古くからの友人。ルージュにとても慕われている。オーバーにいる人をずっと待っている。
アスターやルージュを導いてくれるお姉さんのような存在。中村さん自身もお姉さんらしいところがあるみたいなのでこの人のいるシーンは安心して見られました。
風間さん演じるイラッシュとは顔を合わせないのですがそういうことを示唆するシーンもあってやっぱり複数回観ても面白いです。

公演の前半と後半で一番演技が変わったんじゃないかなと思います。前半はどちらかというとお姉さんな感じだったのですが、後半では母性を感じました。歌のシーンの迫力がすごくていつも圧倒されてました。


イラッシュ(演:風間由次郎さん)
ミロコ、咲耶の古くからの友人。オーバーの(次期)市長。咲耶のことが好きだったらしい。
色々あった後に登場するキャラクター。イラッシュが何を考えているのかを描写するシーンが少ないので3回見てもまだどんな人なのかわからない。ロスト街を中心に話が進むので、オーバーの暮らしもわからない私たち観客からは一番謎なキャラクターだけど多分登場人物からも一番謎な人だと思われているかもしれない。

由次郎さんがカテコの時いつも緊張しているように見えて、猪塚さんが助け舟を出しているのを見て付き合いの長さを感じました。アスターとイラッシュとミロコが一緒にいるシーンは役では歳の差があるのに実際は同僚なのかと思うとなんか不思議で面白いですね。


感想
私がこういうオリジナルのミュージカルを観るのがほぼ初めてだったので話の展開が予想がつかなくて何回観ても楽しんで観られました。
舞台装置をキャストさんが手で動かすので、まずそこにもびっくりするわけですが、ラストシーンの舞台装置の使い方は本当面白いなと思います。
気持ち的にも視覚的にもスッキリ終われるので観終わった後とても気持ちがいいです。
ミュージカルを身近にしたいという言葉が随所に載ってましたが、あまりお芝居やミュージカルを観たことがないという人にも観て欲しいなと思います。DVDとかになって家で何回でも観たいですね。→DVDになるので家で何回でも観られますね。