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月組公演「I AM FROM AUSTRIA」の感想

(12月14日 追加しました)

先日観てきました!本当に発表の時からずっと楽しみにしていたので、普段はしないのですが珍しく本拠地の方へ遠征してしまいました!

(追記)東京でも数回観たんですがすご〜く良くなってますね!初演ということで前例のない役だらけだからこそ、お芝居の上手なスターさんが多い月組でやってくれてよかったなと思います。東京に来てからは毎回ホロっときています。ホリデーシーズンにピッタリだな〜とかぼんやり思ってたんですがまさにその通りでした!日比谷のイルミネーションが白を基調としていて余韻そのままに劇場から出られて多幸感がすごいです。本当にハッピーになります。

前回のON THE TOWNに続くハッピーなミュージカルで、東京に来る頃にはクリスマスシーズンになってるのでさらにケーキ食べたくなっちゃうな〜と思います。1階と2階で1回ずつ観劇したのですが、どっちから観ても隅々まで楽しいので本当におすすめです!

登場人物(敬称略、一部)

ジョージ・エードラー(珠城りょう)

物語の舞台になる、オーストリアのホテルエードラーの御曹司です。ジョージは終始フランクなので本当にお坊ちゃんなのか?と思ったりもしたのですが、友人のフェリックスが車をぶつけても笑って許したりと懐の深さが流石御曹司でした。ヒロインのエマにガンガンアプローチしたり、27歳という設定だからか「カンパニー」の時よりも若々しくて親しみやすいキャラクターでとても好感が持てましたし、誠実で正統派な男役の珠城りょうさんらしいキャラクターだなと思います。

ジョージは家族に内緒でホテルの食事をホームレス支援のために分けている活動をしていましたが、ホテルに来ている限られたゲストをもてなすだけじゃなくてオーストリア全体のために何かしたいと思ってたんですね。視野が広くてすごい。ホームレスと作中で言われているけど多分移民の人なんだろうな…と思います。ヨーロッパは移民問題で悩んでいるからこそそこもオーストリアでこの作品がヒットした理由かもしれないですね。

今回の「I AM FROM AUSTRIA」(以下、IAFA)はものすごく曲数が多いのでこっそり歌の心配もしましたが、音域がよく合っているのか今までで一番歌がうまかったです!元になった曲があるミュージカルなので、観終わった後に原曲を聴いてみると楽しいと思います。(Am○zonプライムにありましたので是非聴いてみてください)

エマ・カーター(美園さくら)

ジョージのホテルにやってくるハリウッド女優さん。ウィーンに来た理由がなんとなくしか言及されてないけれどまあ売れっ子女優さんだし撮影続きで疲れてたってことで自己解釈しました。最初はホテルマンに自分のことをリークされたりで不機嫌だったのとちょっとお高く止まってる?と思ってましたが、ジョージと触れ合っていくうちに無邪気な感じが出てきてやっぱ故郷は違うよね〜と思います。全部地元に帰った時の自分に置き換えた話ですが。さくらちゃんは雰囲気がすごくゴージャスなのでハリウッド女優の役がよく合っていました。途中で着ている部屋着?なのかド派手な花柄ジャージが似合うのはさくらちゃんしかいないと思います。トップ2人がハマり役だと全体の雰囲気もしっかりしてくるので観ていて安心して観ていられます。エマはオーストリア人ということを隠してハリウッドで女優をしていたようで、ブロンドヘアーもサロンで染めて単身でアメリカに渡った行動力のある人なので突然ジョージを連れ出してヘリに乗ったりと色々と浮世離れした人だなとと感じますが、行動力があるからこそラストシーンで一発逆転出来るんだな〜と思うのでそういう感じは大事にしていきたいなと思います(?)

リチャード・ラッティンガー(月城かなと)

この作品の悪役その1。売れっ子女優のエマのマネージャーなんですが、多分お金でエマの役買ったりしたのかな〜なんて邪推したくなるくらい現代的な悪役でした。現代が舞台じゃない作品だと悪役は人を殺しちゃったり最後は自分も死んじゃったりするので、最後はちゃんと警察のお世話になる辺りそうそう現代なんだよね〜と思い出しました。月城さんは割と悪役が多いイメージですがこの役がかなりハマっていたのと途中で歌うタンゴがかっこよかったのでとても印象的です。リアクションが劇中の人物の中でもかなり大きい人なので強烈な印象があります。そういえばこの人はオーストリア人なんですかね?

フェリックス・モーザー(風間柚乃

このお役本当に可愛らしいですね〜。風間くんはまだ若いので、年相応のキャラクターで微笑ましかったです。最初に「僕の車庫入れを〜」とか言ってるシーンでは風間くんの何でも出来る印象のせいで車の運転得意なのかな?と思ったらまさかの若葉マークの駐車へたっぴさん…笑 フェリックスはラストにびっくりするような人とくっつく?のですが、いい子そうな雰囲気が急展開の中でも滲み出てて良かったです。本当に良い役者さんになりそうで楽しみしかないですね。

曲について

Ama○onプライムにオーストリア版のミュージカル曲のアルバムあったのでちまちま聞いてるんですが本当にそのまま使ってるんですね。警察官のシーンの曲とか日本のミュージカルぽくてオリジナルか〜なんて思ってたらアレもオーストリアでやってるんですね。

タイトルにもなっている「I AM FROM AUSTRIA」の曲ですが、よく考えればオーストリア第二の国家と言われる曲がなんでタイトルが英語なんだ?と思って調べたら、国外から母国のオーストリアへ向かって歌う曲なんですね。原曲も素晴らしいのでぜひ聴いてみてくださいね。

感想

基本的にコメディなのでサラッと観れる作品でした。TwitterとかFacebookとかInstagramとか台詞に出てきますが導入に関わってくるだけでそこまで主張はしなかったです。過去のオーストリアに関わる宝塚作品(エリザベートとか)や、月組で過去に上演した作品の小ネタが挟まってたりするんですが、台詞のうえではさっと言ってしまうので「あっ笑う所?」みたいな感じになってしまうのでそこは今後にものすごく期待です。

オーストリアという国は私の印象ではヨーロッパの小国というイメージなので、ハプスブルク家のあれこれがよくわかってないと余計にオーストラリアと間違えてしまいそうだなと思います。そもそもなんでオーストリアで上演されたこの演目が「I AM FROM AUSTRIA」という題名なのか?調べてみたら劇中で何度か歌う同名の曲があるんですね。解釈的に、オーストリア国外からオーストリアへ向けて郷愁とかを歌った歌だから英語で言っているみたいな感じみたいです。日本人にとっての「サライ」とか?どストレートに「ふるさと」ですかね。

日本に住んでると海外で仕事をしたり、逆に海外から日本に来て仕事をしている人が周りにあまりいないのですが、留学とかしたりするとその国の文化に染まりきってしまう友達がいたなあと思い出しました。コメディ要素に流されがちですが、IAFAは自分の原点を見つめ直す話かな?と思います。エマが母親に電話するシーンあたりでなんか泣きそうになったりしました。ゲームとかで1回自分の故郷に戻る展開あるじゃないですか、IAFAはその戻ってきて強化イベントみたいな所らへんの話ですね多分。冬になってから観たら少し田舎に帰りたくなりました。

私自身が夢を追いかけて仕事をしているわけではないので何とも情けないのですが、何を重視してこの仕事始めたんだっけ?とか大学も何をしたくて進んだんだっけ?とかちょっと考えるようになりました。その辺踏まえてあと何回か観たいな〜と思います。悩んでる人にぜひ観てほしいですね、説教くさくなく明るい雰囲気でその辺を考えられて良い作品だと思います!オススメ!